スワップポイントってなに?

スワップポイントとは

 

FXにおける重要用語の一つに、スワップポイントというものがあります。(スワップ金利や、単純にスワップとも呼ばれます)

 

これは、例えば日本円を売って米ドルを保有していると、金利を得ることができるというものです。

 

例えば55000円でレバレッジを10倍にし、550000円の運用を行い、1ドル=110円で5000ドルを保有しているとします。

以下のDMM FXのスワップポイント付与表を読むと、11月18日の場合には9.5円を受け取れます。(表示は1万通貨あたりです)

fx.dmm.com

年間に換算すると、なんと約3500円にも上ることとなります。

 

 

なぜスワップを受け取れるのか?

 

では、なぜこんなにもスワップを受け取ることができるのでしょうか?

 

それは、日本の金利に対してアメリカの金利が高いからです。

 

外貨預金で高利回りの資産運用を、といった仕組みと同じと言えば分かりやすいでしょうか。

例えば日本の金利が0.1%とし、アメリカの金利が2.5%とすると、差の2.4%の金利を受け取ることができるという訳です。

 

しかも、外貨預金とは異なりFXの場合にはレバレッジを掛けることができますから、数十パーセントのスワップを受け取ることも可能です。

 

 

マイナススワップに要注意!

しかし、注意しなくてはならない点があります。

 

勘の良い方はお気付きかもしれませんが、例えばドルの売りポジションを持った場合、

(FXでは下がりそうだと思ったら'売り'から取引を行うこともできます。その場合、下がった際に買い戻すことで利益を確保します)

逆にスワップはマイナススワップとなり、支払わなくてはならないということです。

 

さらに、例えば日本より低金利の通貨を買ってもマイナススワップが徴収されることとなります。

現時点では、マイナス金利となっているスイスフランやEUユーロがそれに該当します。

 

 

スワップの高い通貨は?

 

では、スワップの高い通貨を高レバレッジで買っておけば、かなりの利息を得ることができるという考えに至るのは自然なことです。

 

しかし、何よりも忘れてはならないのは、高レバレッジはそれだけレート変動リスク自体が大きいということです。

大きなレート変動に比べればハッキリ言って高金利通貨であってもスワップなど大して大きくはありません。

この点は高金利通貨取引の際には基本として頭の中に入れておかなくてはなりません。

 

さて、それを踏まえたうえで話を進めます。

まず、主要な高金利通貨として挙げられるのは、「豪ドル、NZドル、南アランドトルコリラ」の4つです。

 

例えばスワップが高いFX会社として紹介したヒロセでは、以下のようになっています。

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豪ドルが1ドル=82円、NZドルが1ドル=77円、南アランドが1ランド=7.75円、トルコリラが1リラ=33円とし、10万円を元手にレバレッジ8倍で80万円分づつ保有するとして、スワップのシミュレーションをしてみます。

 

すると、1日当たりに得られるスワップは、豪ドルが488円、NZドルが623円、南アランドが1548円、トルコリラが2788円になります

これを1年間に換算すると、なんと豪ドルが178,120円、NZドルが227,395円、南アランドが565,020円、トルコリラが1,017,620円にもなるのです。

 

いかがでしょうか。

 

しかし、やはり注意しなくてはならないのはレバレッジです。

何度も言いますが、皆さんが行うべきは一気に何倍にも資産を増やす代わりに0になってしまうほどのリスクを負うことではなく、地道にしかし高利回りで資産運用を行うことです。

以前のブログで述べた通り(下リンク参照)、利回りは5%、高くても10%もあれば十分なはずです。

holidaytripadvice.hatenablog.com

 

ここでご紹介したレバレッジ8倍というのは為替変動を考えればリスクが大きすぎます。

豪ドルやNZランドは国が安定しており財政にもゆとりがあること、さらに輸出資源があることから大きくレートが落ちることはないでしょう。

以下に豪ドルの10年間の値動きを貼りましたが、長期的に見ればむしろ今は安値圏です。NZドルも同じような値動きをしています。

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ですから、現実的に考えても3~4倍のレバレッジを掛けるのはありかと思います。

 

しかし、注意しなくてはならないのは南アランドトルコリラです。これらの二国は恒常的に貿易収支が赤字であることに加えて治安も良くなく、地政学的リスクもくすぶり続けています。

 

見てください、以下の10年間見事なまでに下がり続けるチャートを!(笑)

 

上記の豪ドルやNZランドはリーマンショックの安値を跳ね返し、上昇に転じていますが(豪ドルの場合75円-105円程度のボックス相場と言えるでしょう)、南アランドトルコリラはひたすら下げ続けています。

 

しかも以下の表には載りきっていない、変動相場制に移行してからの30年以上というものずっと下落トレンドで、ボックスとはどこへやら、という相場ですからもはや笑うこともできません。

いくらスワップが高くても、レバレッジ2倍ですら危険なのです。

 

南アランド/円】

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トルコリラ/円】

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従って、以下のような(ヒロセHPより)スワップ運用を誰もが夢見ますが、その前にそもそも原資がレート変動によって尽きてしまうでしょう、ということは警告しておきます。

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スワップ運用のコツ

 

では どのようにスワップ運用を行ったらよいのかと言えば、あまりレバレッジを掛けずに豪ドルやNZドルを買っていくのが良いでしょう。

(もしくは南アランドトルコリラにはレバレッジ1倍で挑戦してみてください。ちなみに、レバレッジ1倍でも過去30年間平均してみると永遠に「為替変動による損失>スワップ益」であることは付け加えておきます)

 

しかも、豪ドルやNZドルは上記のボックス相場であることを考えれば、今は安値圏です。

一時的には値下がりし損失が発生するかもしれませんが、長期的に見れば為替変動益も手にすることができるでしょう。

 

いずれにしても、「短期の為替変動に耐えられる低レバレッジで、長期的に安定したオセアニア通貨を」スワップ運用のコツとなることは間違いないと思われます。

ぜひチャレンジしてみてください。

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